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2011-11-17 12:23 | カテゴリ:経営改善
セベ経営会計事務所の瀬部です。

棚卸資産は会社にとって本当の意味での財産(資産)です。将来的にはお金になって帰ってくるものですから。
利益の源泉でもあります。これらを原価よりも高く売ることによって利益を生みます。
いつかの機会にお題にしようと思いますが、利益を最大にするための戦略にも当然、棚卸資産は絡んできます。
どの商品をどこにどれだけ売れるか、そのために通常どれくらいの在庫を確保しておくか、そのためにはどれくらいの生産量が必要か、そのためにはどれくらいの原材料を確保しておくのか…などにつながってきます。

それくらい重要なのに、結構多くの会社であまり管理されていないようです。
中小企業の多くは、棚卸資産の現在有り高は期末の棚卸の時にようやく把握されます。
決算書上の売上原価は、(たとえば小売業では)期首残高+当期仕入高-期末残高(棚卸で把握した数字)であらわされますが、受け払いを付けていなければ、保管の間に起った紛失とか盗難などによる損失もすべて売上原価に含まれてしまいます(この中には異常な仕損の分も含まれてきます)。
場合によっては、横流し(まあ、いわゆる横領です)されていてもわかりません。中小企業といえど内部統制は必要です。
受け払いを付けていれば、期末に棚卸をしたときに帳簿残高と実際残高とに差額があれば、その差額を調査することにより、異常を発見できる機会を得られます。
それに今の有り高がわからないのに明日、来週、来月の計画的販売や生産などできません。結局行き当たりばったり、あるいは勘と経験のものとなってしまいます。
もちろん、異常を発見する、という目的で言えば、タイムリーには難しいですが、決算書で原価率がわかりますから、おおざっぱには異常の有無は把握できます。製品別に売上高と売上原価がわかればなおのこと、異常性の分析はできます。一度やってみてください。おもしろい結果が出るかも?
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